新かな配列練習道場

~単打最多の最凶かな配列を10本指で調教しよう~

はじめまして

配列屋兼タイパーのめんめんつです。オリジナル配列やキーボード入力技術に関する情報発信をしてます。

月林檎配列:https://menmentsu.hateblo.jp/entry/2021/01/12/230614

いろは坂配列:特殊ホムポ・単打特化の打鍵数最小かな配列

 紹介 https://ch.nicovideo.jp/chidauyu/blomaga/ar1778989

 創作文動画 https://www.youtube.com/watch?v=9W5kG8yrjt4

継配列:カタカナ継ぎ接ぎ連想法による中指後置シフト配列

 紹介・導入法 https://tsugihairetsu.hatenablog.com/

 創作文動画 https://www.youtube.com/watch?v=ACEwXQ4sj5c&feature=youtu.be

雀躍配列: https://twitter.com/suzumekeyboard/status/1212383146785685510

思考とタイピングの関係の検証(QWERTY):https://www.youtube.com/watch?v=2pQEVBd_9hw&t=845s

ノールック漢字変換:https://menmentsu.hateblo.jp/entry/2020/04/18/135430

現時点の配列図

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月林檎自体は確定版から動かしていない。BSとエンターについて、とりあえずはこうしよう。

BSはQWERTYのハイフンの位置。IMEオフで半角のハイフンが打てなくなる問題はあるが、これはまた別途考えよう。

エンターは右親指。右親指は今までほぼ使ってなかったけど、ペンを握る感覚を追求するなら使いたいところ。自作キーボード界ではよくあるスワップだと思うが、市販のキーボードだと変換キーの当たり外れが激しく、そこは留意しなくてはならない。

 

私が配列開発で縛っているのは以下の項目。

・JISキーボード・QWERTYとの共存。(新配列を覚えることでデファクトが使えなくなるような事はNG)

・人→中、人→薬アルペジオ重視(QWERTYの模倣)

・文字領域で連続シフトを使わない。(単発の連続シフトは速度が出ないから)

・文字領域は3段。(4段は失うものが多い)

・同時打鍵の不使用。(私が苦手なため)

・作文性能の向上(薙刀式の模倣)

 

結構煮詰まってきたんじゃないかなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BSとエンターの位置を動かすには

やはりQWERTYと決別しなくてはいけないのだろうか。

 

 

今日は仕事でも月林檎が使えた。時間に追われてない時なら使える。

やはり、右人差し指の重さのおかげだと思うけど、これまでに打てるようになった配列(QWERTY、JISかな、いろは坂)のどれとも違う。タイピングは発声の代替というスタンスだったけれど、月林檎配列を使う時だけは紙を広げてとペンを握るような錯覚をする。

 

今までタイピングなんて早ければなんでもいいと思っていて、雑に機敏に行うものだったから、それはそれで気軽だった。

でも月林檎ではそうではなく、ペンを握るような感覚が多少なりともある以上、雑には扱う気にはなれない。それはそれでハードルが高く感じていて、無意識化を妨げていたりはする。

 

右人差し指、多くの人間にとって一番動く指らしい。これは小学生でも想像つくことだ。

でも人差し指重視の配列って、なんだかんだあんま見なかったよなぁ。

それは同指連打を避ける意図や、たくさんの指を均等に使った速度重視の風潮はあったのだろう。

 

そんで、実際にJISキーボードで右人差し指重視の配列を使ってみて、もうひとつの問題に気づく。

それはBSとエンターが遠すぎるせいで、右人差し指がしょっちゅう横に動いてしまうことだ。

QWERTYの右人差し指頻度だとそんなに気にならないけど、新配列はもろに影響受けるなぁ。

 

だったらBSとエンターを合理的な位置に動かしてしまえば良いだけなのだけど、私はデファクトとの共存を私はとても重視している。

学者視点ではJISキーボード配列なんて否定しておしまいなんだけど、いやー、現実はなかなかそう簡単ではないよ。配列いじりは常に今まで覚えた配列を完全に忘れるリスクが伴う。基本的に複数の配列は人間の脳内で完璧には共存できず、複数覚えるとトレードオフの関係で、両方が多少なりとも中途半端になる。

新配列を覚えるのは脳細胞を書き換えるようなものだから、本当に前の配列を忘れてしまうんだよね。例外はローマ字配列とかな配列の共存くらいだと思う。

デファクトと決別するためのエネルギーは仕事柄によるでしょう。今の環境的には仮にセーフだったとしても、新配列や自作キーボードを使い込んだ結果JISキーボードQWERTYが使えなくなってしまって、これだけ普及しているデファクトツールを使う能力を失って将来本当に困らないのか?私は自信がなく、いかんせん現時点で人よりもデファクトツールを扱うのが遥かに上手いから、なおのことこの決断がしにくい。

 

BSとエンター問題は、コピー打鍵では手の勢いで右上BSに余裕で指が届くので問題にならない。指を比較的ゆっくり動かす作文系ではじめて、たしかに非合理でライティングの質を下げているなと気づく。

当初はBSとエンターは意地でもデファクトに準拠するつもりだったが、日に日にそのスタンスを続ける理由が日に日に失われている。自分が作文したいかどうかではなく、配列としての高みを目指している以上、BSエンターデフォルトは「慣れればいいじゃん」では済まされない問題だなと。

 

BSとエンターを好きな位置に置いて新配列を作るのは簡単だ。特に、頻度を考えると文字領域に置くのがよいだろう。エンターを同時押しとか、嫌じゃない人なら一番無難だと思う。ただBS同時押しは微妙そうだなぁ。それに、私のように同時押しを受け付けない主義の人もいる(理由は割愛)。というわけでBSとエンター文字領域に置くのが無難な解であり、頻度的には単打が妥当だ。

 

なにが問題かというと、文字領域にBSエンターを持ってくるとQWERTY配列が使えなくなること。 新配列はたいていかな配列だろうから、英字入力では相変わらずQWERTYを使い続けなければいけない。この文章くらい、アルファベットがレアだったらどうでもいいけれど、文章に限らずPC使っているとIME OFFにしなきゃいけないシチュエーションは、まぁいろいろあるでしょう。

 

要するに、文字領域にBSエンターを持ってくるならアルファベット配列も動かさないと気が済まないという話。でもQWERTYは忘れたくないから、例えば英語は新配列、ローマ字はQWERTYみたいなのって頭の中で成り立つのかな?

 

いや、それ以前にそもそも月林檎を再設計できるかっていうほうが問題っぽい。。

 

 

QWERTYの最大の罪

トップスピードがとにかく速いことである。

 

これが、ちょっとタイピングができるようになった人が自分タイピングが上手いと錯覚して、QWERTYから抜けられなくなる最大の罠となっている。

 

QWERTYはとりあえず非合理で性能が低いということにしておくが、それはボトムスピードに関係する話である。たしかにあらゆる言葉をすらすらとQWERTYで書けるのは、タイパーの、しかも上位層に限るかもしれない。

それに対し、トップスピードって本当に簡単に上がってしまう。自分が好きな単語一つでも高速で打てれば、それがトップスピードなのだから。

さすがに単語1つは言い過ぎかもしれないが、QWERTYでは不思議なことに、複数の文節あるいは文単位で、打ちやすいまとまりに遭遇する事がままある。コピー打鍵の世界ならe-typingの「元気が出ることば」シリーズや、打鍵トレーナーの「さくさくタイピング」が有名だ。日常生活のなかでも、QWERTYの初心者特有にありがちの、やたら打鍵音がうるさい感じというか、不安定な感じというか、打てる部分とそうでない部分の差が激しすぎる様子は垣間見れるところだ。

 

ローマ字配列では原理的に打鍵パターンが少ないから、ある単語を高速打てるようになったら、知らずに別の単語も打てるようになり、トップスピードを出せる言葉が知らずに広がっていく。たとえば「NARE」と「MATE」は全然違う言葉だが、QWERTYタイピング的には大体同じ指の動かし方で、片方打てればもう片方も打てるよね。ある単語を打てるようになれば、韻を踏んだ他の言葉であれば、だいたい打てる?

究極的に打鍵パターンを少ないのが、ほとんど全部交互打鍵にしたローマ字行段左右分離系。でも、交互打鍵って並の人間では決して速く打てるパターンではない。また、パターン数についても逆に少なすぎるんだよね。交互打鍵って全部、乱暴にいうと似たようなもので、片手だったら人→中アルペジオと人→薬アルペジオだったり、中→人アルペジオは全然違う打鍵パターンだし、脳がそう認識してると思うけど(多分)、交互打鍵ってどの指使おうが、脳的には左右交互の連携をする事で精一杯で指の差についてまでは把握しきれてないイメージ。なにがいいたいかというと、似たような打鍵パターンが多い配列、すなわち数学的な対称性が高すぎる配列だと脳が混乱して、QWERTYみたいに「この単語はこの指の動き!」ってのが無いから、トップスピードが鍛えられにくい。

 

QWERTYの良さなんてものを伝えようとするつもりは全くないが、配列の最適化というのはクソ運指を解消してボトムスピードを上げる事が基本になっているのに、実感しやすいのは圧倒的にトップスピードのほうだから、ボトムネック解消したとしてもQWERTY支持者に対しての広告効果は微妙なのだろう。

 

しかも、配列界において運指のボトムネックを減らす為に編み出された叡智の数々、たとえば交互打鍵、同時打鍵、連続シフトなどを重視した新配列は、QWERTY視点ではトップスピードが犠牲となっていて、ある程度QWERTYを打てる人がこれらの系統の配列に乗り換えるには、「そんなにタイピング速くてもしょうがない」とか、「速く打てたところで指が疲れるだけ」など、トップスピードの追求に対して一定の見切りをつける覚悟が必要となる。

 

QWERTYの速さなんていっても、ふつうは秒単位の話で、文章作成においてはすごくどうでも良いことなのだけど、でもアドレナリンが出るのはその秒単位の話なんだよね。

 

F1の例えでいえば、最初に乗る車(教習車)がF1だったとしよう。10人に1人くらいは意外とちゃんと乗れちゃう人がいたりするかもしれない(タイパー)。10人に6人くらいはぎこちないながらも一応乗れて、加速がよかったり直線だったら飛ばせちゃうみたいな理由で普通車ではなく結局F1を乗り続ける(一般QWERTY使い)。残り3人はF1では免許がとれず、車自体がクソだという認識になって、車には乗らず電車と自転車だけで何とかする(フリック、手書き)。そして結局、誰も普通車に乗らない。

 

教習車が普通車だったら、少なくとも10人中9人は免許がとれるんだろうから、そのほうが良いに決まっているんだけど、上の世界線においてF1を普通車に置き換えられるかというと、なかなかに難しそう。

 

 

久しぶりに

ここのところかなり忙しくなってしまい、趣味のタイピングに割ける余裕がなく、必然的に「タイピングに興味が無い社会人」をしばらくやっていた。

 

月林檎配列は熟練度がまだ足りないせいかな。一日だけ実践投入やって、業務に支障ないくらいに使えてたんだけど、

メールの文章あとで見直したら誤字だらけだったりして、一旦リタイアした。

QWERTYじゃ面白くないから定期的にMy配列のことが頭をよぎるけど、「タイピングに興味が無い社会人」には配列変更はできなかった。。(でもこの記事は月林檎配列で書いてるよ)

 

月林檎配列を設計するとき、大岡さんに感化されて、多少は日本語の構造を意識した仕様になっていて、「つなぎのことば」が打ちやすいようになってるけど、

ビジネスで登場する文章は定型文と単語まみれなので、なかなかそのよさを実感できない。

一方、こういうブログのように、日記のように、フラットな自分の考えを述べる場では、仮に速度が出ないにしても、配列変えてよかったなって思う。

 

で、配列屋としては色々残念なことに、タイピング興味から離れた自分はQWERTYをずっと使っていたけれど、

つまらないほど自分がQWERTY上手すぎて憎い。幼少期からの訓練の賜物なのだろうが、手指全体が声帯のように操れてしまうのだ。

 

ふつうのビジネスで役にたった場面は、メールを一瞬で捌くこと、会議中の文字起こし。

メールは電話の代替だし、会議のメモは人の会話内容の羅列で、いずれもそんなに長時間戦ではないので、タイパー向けローマ字配列が強いよね。こういうところで速度以外を重視した新配列を使うメリットは正直無いように思えた。新配列で自分にとっての最速を出せる人が羨ましい。

でも、こういう喋る延長線上でしかないタイピングはライティングの範疇に入れないほうがよいだろう。タイピングであってもライティングではないスキルを差す言葉がほしいところ。

 

もう一点QWERTYが強いなと再度思ってしまったのは、若いビジネスマンにありがちな「大量のやっつけ仕事を一つずつ必死にワンパンするモード」において、脳内に広げるキーボードが狭くて済み、必要とする脳細胞が少なかったこと。

仕事の文章なんてまったく高尚なものではないしライティングとしての質も低いと思っているけれど、

そんな文章であっても短時間に大量に作ることを求められると、さすがに思考、というか脳細胞を要する。

また、そういう状況ではたいてい別の要因でストレスが溜まっているもので、なおのことタイピングごときにイライラしてられない。

 

というような事情があって、創造活動としてのライティングをする機会が恥ずかしいぐらいなく、自分の仕事において新配列の出る幕が無かったわけだが、

そうであっても、ちゃんと考えられて作られた新配列使ったほうが、長い目で見て仕事の質も上がったりするのだろうか。

月林檎配列は、薙刀式から模倣した点として、単語は打ちにくくても良いからそれ以外のつなぎのことばを打ちやすくしたつもりで、

こういうブログはいいけれど、単語ばっかりの文章に出くわした時にどうしようかと思ってしまう。

手指のギアとして、単語をタイパーモード、つなぎのことばをライターモードで打てれば最強なんだろうね。