新かな配列練習道場

~単打最多の最凶かな配列を10本指で調教しよう~

月林檎配列(上段中指シフト3段かな配列)

2021年4月29日更新

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中指後置シフト方式の新しいカナ配列を作りました。

「月林檎配列」と呼ぶことにします。月配列の系統です。

 

太字は単押しで出します。

細字はキーを押してから★マークを押すことで出します。

(月配列とは異なり、後置シフト方式となってます。)

 

詳細図では☆マークのシフト示してありますが、これはふつうの濁点であり右側のシフトを覚える必要はありません。簡略図だけ覚えれば十分です。

ただし、パ行はマ行+゛で出しますので、これだけは覚えてください (例:ま゛→ぱ)

 

シフト面の文字を濁音にしたいときは★を省略できます。

例:な+★→そ、な+☆→ぞ  (な+★+☆→ぞ と打つ必要はありません)

これにより、すべての濁音を二打で打つことができます (月配列2-263とは大きく違うところです)。

 

実装方法の一例は①Capslockキーと「\」キーを入れ替えた上で、②ローマ字テーブルを変更します。

Google IMEのローマ字テーブルを置いておきます。

https://drive.google.com/file/d/1YmgMkP4kkndPtMD_0v3YpPDMJ_3Q3zEt/view?usp=sharing

 

以前の版↓

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参考にした配列

薙刀式:文章を「単語」と「繋ぎのことば」の組み合わせと考えたとき、配列では後者を重視するべきというコンセプト、特に大事な連接は人差し指→中指のアルペジオにするべきという考え、配列設計における排他的配置など、数々のポイントで参考にしました。

月配列2-263:3段中指シフト清濁同置順次打鍵かな配列の代表格として、当然参考にしました。

月見草配列:後置シフトの有用性と、「ょ」を後置シフトキーと併用するアイデアを参考にしました。

QWERTY:上段重視、アルペジオ重視はQWERTYの良さと考え、参考にしました。

 

 

 

 

 

手書きをやめてタイピングに逃げる理由

最近、配列界で勢力的に活動されている大岡さんはタイピングに対する手書きの優位性を何度も強調しています。

一方で、キーボード界隈ではびっくりするくらい手書きの事は話題になりません。同じ文字入力が土俵であるにもかかわらずです。これはあまり面白いことではないので、手書きとタイピングの線引きを、キーボード界隈手書き挫折勢代表の私が試みてみましょう。

 

大昔、人々は石に対して字を「打って」ました。これがTYPEの語源であり、元祖タイピングです。実は手書きよりタイピングのほうが歴史が長いと言ってもいいでしょう。

あとになって人間は紙と筆を発明し、手先だけで字を表現できるようになります。ここで「書く」(WRITE) という概念が生まれたと思います。

ところが近代になって、活版印刷技術の発明により字を「打つ」事が復活しました。遅いことは問題でしたが、タイプライターの登場により座ってボタンを打つだけで字を表現できるようになり、ワープロやPCが普及して紙も電子化されました。こうしてTYPEがWRITEと渡り合える土俵にまで昇りつめました。

 

ただし別な見方をすると、キーボードの台頭により文字を捻り出す手段がWRITEからTYPEへ退化してしまったともいえます。

 

たしかに手書きは凄いですよね。タイピング好きな皆さんも、試しに授業のノートをタイピングで取ってみてください。びっくりするほど頭に入ってないことでしょう。タイピングのほうが速いし修正もできるというのに、現代の受験生は必死にペンを握ってノートにカリカリしています。

英単語を覚えるのも分かりやすい例でしょう。知らない単語のスペルをペンで書くのとタイピングするの、どっちが覚えやすいでしょうか。

タイピングより手書きのほうが脳と直結する事ができます。これは揺るぎない事実でしょう。

 

 

じゃあ、なぜ私が手書きをしないのかをバカ正直に列挙してみましょう。

 

①自分の字が汚く、萎える。

字がどうしてもきれいに書けないんですよねー。努力不足を疑われるかもしれないが、もう先天的なものだと思っています。

自然体で字が汚く、自分もそれを分かってて変に綺麗に書こうと常に意識するから、余計それに意識がとられて思考に集中できやしないです。

タイピングなら誰でも綺麗な字を書けます。字が下手でも人権がある。すばらしい。

 

②手書きは遅い

字を書く形式として、手書きは遅いです。速く書ける人は字を崩すのがうまくて速く書ける字体を独自に開発してるか、もしくは極めて運動性に優れた手指を持っているかでしょう。

配列界ではシフト文字で2打かかることすら嫌われるのに、漢字で十画以上線を引く動作をする事に文句を言う人がいないのは何故でしょう。

また字から字へ移るときに手を平行移動しないといけませんよね。動作として無駄ですし、手が黒くなります。 

速く書けるような字の「崩し方」を学校で教えてくれるなら、速度の問題は多少解決されるかもしれませんね。

タイピングはローマ字入力であっても全てのひらがなを二画以内で出せます。漢字はスペースを押すだけなので、プラス一画で済みます。「UTU」+「スペース」で「鬱」を出せるんですよ。極端な例ですが。

 

③間違えてはいけないから集中できない

間違えてもいいんですけど、消しゴムは面倒ですし黒鉛にしか使えません。字を横線で消すのは清書では使えないし、他人には見せられないし自分があとで見返すのも億劫です。なので、手書き中は基本的に間違えてはいけない、という意識にあります。

手書きのよさは脳と直結できる事だと思いますが、間違えてはいけないと思うと集中できず、脳とのリンクが絶え絶えになります。特に、脳内から溢れ出る思考をすぐに書き留めようとしても、そこで日本語的に・文脈的におかしくないかを考えるともう思考が蒸発します。本能の赴くままに手書きをしても、アイデアノートとしては有用かもしれませんが、相応の文章力が無いと文章が出来上がらないのです。

国語が得意な星に生まれた人なら文章力は足を引っ張らないと思うので大丈夫だと思いますが、私は国語嫌いなので無理です。

タイピングなら文章力が低くても文字で表現する権利を与えてくれます。というのも、思い付くまま文を打ち、脳が落ち着いたら修正したりパズルのように切り貼りすれば、人に読ませられる文章になるからです。

 

④幼少からキーボードを触ってた

私が子供のころからキーボードを触ってました。これはとても大きいですね。親に感謝してます。

小学生のころ、国語や作文はとにかく大嫌いでしたが、趣味でホームページを作ってQWERTYで日記を書いてました。人が読める文章を書ける事に親にも驚かれたものです。

パソコンのキーボードは楽器のキーボードと似たようなものです。楽器の世界では成人するまでに指使いを覚えないとかなり苦労する事が知られてます。音楽のセンス以前に、成人してからは指が成長しないんですよね。

QWERTYはちょっとした楽器に匹敵するほど難しいものだと思うので、成人してから対峙するのは相当辛いのは容易に想像できます。逆に、ありえない話ですが幼少時からキーボードしか触らなかった人が成人して初めて手書きを経験したらどう思うのでしょうね。

 

⑤姿勢が辛い

前屈みになると猫背になります。姿勢良くすると今度は首が辛くなります。紙を机に水平に置かないといけないせいですね。幼少から手書きの習慣があればこういう姿勢を長時間保っても大丈夫なように体が作られるのかもしれません。

キーボード×ディスプレイなら正面を向けるので、体への負担は少ないと思ってます。ブラインドタッチができないと下向いて首が痛くなりそうですが。。

 

⑥あまり文章力が求められないキャリアを選んでしまった

これは特に消極的なものですが、挙げておきましょう。

私は技術者です。国語が嫌いな人間は基本的に文系にはなりません。で、理系で文字による表現力を求められる場面って。。あるのかなぁ。駄目なデータを壮大なストーリーで誤魔化して報告書や論文や特許を無理矢理書こうとする時くらいではないでしょうか (私が一番苦手な事です)。それよりはそもそも良いデータを集める技術力をつけて、脚色せずに事実を記し続けるだけで認められたいものです。

苦しいのは、じゃあなんでキーボードに興味あるの?ってことですよね。なんででしょう笑 配列開発は趣味であって仕事ではない、というのもそうかもしれません。もしくは目の前に不合理なツールがあるから、技術者として改良したいと思うことが自然だったのかもしれません。このようなブログをたらたら書いているのはキーボード配列の技術開発において文字頻度とか日本語の構造を齧らざるをえなかった、というようなところでしょうか。

平たくいって、キーボードマニアには理系が多く、手書き作文が苦手だった人たちが多いから、タイピングと手書きの対比議論があまりなされない、というのはあると想像します。

 

 

タイピングによる文字入力には興味あるのに手書きを話題にしたがらない人の心境を代弁したつもりですが、当てはまるところはあったでしょうか。

 

とはいえ、冒頭で書いたように手書きの優位性はある程度分かってるつもりなので、いまさら手書き自体をする元気はないけれどキーボードをペンに近づけることは興味ある、といったところです。

 

 

 

 

 

タイピング中の脳内発声と指への負担の関係

「しゃべるようにタイピングする」感覚が前提の話になってしまいますが、

喋る時に自然と音圧が強くなる文字はタイピング時の押下時間が長くなる気がします。

そうであるなら、押下時間が長いと指に負担がかかるため、そのような文字は弱い薬指・小指では打ちにくいと考えられます。

 

私が作ったいろは坂配列は薬指・小指をがんがん使う仕様にしましたが、私も別に特別指が強いわけではありません。

実際ピアノは全然弾けません。タイピングすると薬指の腱はふつうにヒリヒリします。小指は単独ではたいして動かないから手首との連携を欠かしません。

 

じゃあどうやって薬指・小指をたくさん使っているかというと、指でキーを押し続ける時間をなるべく短くし、指が緊張する時間を最小限にしています。

というようなことに気づいたのはすごく最近で、無意識にQWERTYを楽に使おうと思って、20年前にそのような指の使い方に行き着いたようです。

 

たとえば私の以下の動画では(右手はBS・エンターのせいでバタバタしてますが)キーを撫でるように構えつつも、押すのは一瞬です。

断続的思考タイピング/連続的思考タイピング/無思考タイピング比較 - YouTube

あ、でも「連続的思考タイピング」のときだけキーをペタペタ押してますね。ライター的な打ち方を模倣してるつもりで無意識にやってました。そしてこの方式のタイピングはQWERTYではもの凄くやりづらかったです。

 

個人的に好きなパンタグラフキーボードは打つと指が自然と跳ね返ってきて、押下時間を短くしやすいです。タイパーに45 g以上のリアフォが人気なのはバネが指を押し返してくれるおかげと思ってます。

 

薙刀式の大岡さんは手書きの模倣という観点で、重要なかな文字は人差し指もしくは中指に担当させるように主張していて、

手書き挫折勢のわたしでもなぜか部分的に共感できるんだよなぁ、なぜだろう。と考えたとき気づいたのは、文章中の重要なかな文字というのは声に出すときも強く発声するものだから、脳内発声があろうがなかろうが行き着く先は似たようなところかもしれません。

 

最近、月配列系の配列を検討してますが、断片的に以下のようなことに気づいてます。

「く」は絶対人差し指 (か中指) 。はっきりと発音する文字ですよね。頻度は特別高くないですが、薬指は無理です。

「し」は頻度高いのに薬指でもまぁOKです。サ行って喋る時あまりはっきりと発音しない気がします。「す」は小指でもギリギリ許せる。

「な」「た」「か」は人差し指。「は」もそうかも。あ段は強調して発音しがちだから人差し指が良いのでしょう。

ラ行は何とも言えない。楽にロールオーバーできるなら薬指・小指でもまぁOK。特に強調して発音することは少ない。

「と」は薬指でもOK (新配列では人差し指にするつもりだけれど)。意外と聞き逃しても大丈夫な音なのかもしれない。

ほかには「て」は重要、「き」は割とどうでもいい、「ん」「う」も意外とどうでもいい、「こ」は薬指で許せる、「を」は中指というような、漠然としたイメージがあります。

というように、文字の重要度は文字頻度だけでは決まらない事が私にも分かりつつあります。 

 

要するに重要な文字を打つ時は自然と指の押下時間が長くなるから、薬指・小指では耐えられない気がします。

なにを重要と思うかは個人差が大いにありそうですが、少なくとも文字頻度だけでは説明できない感覚が各々にあることでしょう。

 

という内容の文章をQWERTYで書いて思ったことは、

QWERTYには棒読みしかできないのかもしれない。

速く打てるのはいいけれど、自分が打ってる文字にあまりに抑揚がなく自信がないから、口パクで復唱しながら確認している有様です。

いろは坂配列も、まぁ単打のおかげでQWERTYよりは遥かにマシだったけど、それでも棒読み感はあったと思います。

QWERTY的な配列で満足してた心理は、速く打つ事が楽しいのであって実は文字を打つ事自体には興味がなかったのかもしれません。これが「QWERTYでいいや」の本質か。。

 

私も気づいたら三十路前になってて肉体のピークは過ぎまして、タイピングマニアとして速さ以外の要素にも楽しみを見つけたいところですね。

 

 

 

 

 

微調整

3日前の記事 (冬休みの宿題) から微調整をしました。すみません。

 

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また、kouy様作成の打鍵頻度表に当てはめると以下のようになります。 

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主な変更点は、Q:「ゅ」→「ま」、B:「ま」→「ゅ」、Y:「あ」→「ゃ」、シフトJ:「え」→「あ」です。

 

「あ」は単打にしたかったところだけど諦めました。Yを「あ」にするのは無謀でした。

JISキーボードだと「Y」が届きにくく、また同指連打が多発するリスク高いので扱いに困りますね。未定義にしても良いくらいですが「ゃ」なら許せると判断しました。

 

単打を減らしたりシフト面にもっと重い字を持っていけば薬指・小指の使用率を下げられますが、中指シフトキーは1つだけなのでこれだけが突出して重くなってしまい、バランスが悪くなってしまいます。

「ょ」だけではなく「ゃ」も後置シフトキーにして左右に分配すればバランスはとれますが、1キーに単打・左シフト・右シフトの3字が入ると記憶負担増えるうえに左右盲が起こるので、却下しました。今の仕様でシフトと「゛」をごちゃまぜにして2シフトの清濁別置にしてもバランスがとれますが、同様の理由でやめました。

 

実装はGoogle IMEローマ字テーブル編集と、CAPSロックキーを「\」に割り当てるキー入れ替えソフト (keyswapなど) の組み合わせを第一に考えています。

ローマ字テーブル編集は後置シフトを驚くほど簡単に実装できるのが利点ですが、これではほとんどのタイピングソフトで遊べないのが難点です。

 

ローマ字テーブルを使わずに後置シフトを実装するのは難しいと想像しますがソフトの事はあまり詳しくないですすみません。

とりあえず私は「かえうち」でやってます。一応設定ファイルも置いておきます。

テスト配列.kaeuchi - Google ドライブ

 

BSありのタイピングゲームなら遊べます。

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ミスなしで打ってもミス40程度の判定になりますね。

あとミスOKで有名なところはタイピング速度測定でしょうか。

 

e-typingなど正確性重視のものが出来ないのはどうしようもないですね。多くの配列が後置シフト方式を採用しない理由の1つだと思います。

(それより月配列の黎明期ではGoogle IMEもかえうちも無かったので、後置シフトを実装する手段がほとんど無かったのかも)

 

月配列と大いに似てますが、黎明期の配列群とは違って交互打鍵率を第一には考えていません。それは交互打鍵よりもアルペジオ打鍵のほうが速いからであり、QWERTYタイパーがこれを証明してると言ってよいでしょう。

ただ交互打鍵を減らすと習得難易度は上がってしまい、また交互打鍵の楽さは捨てられないため、交互打鍵率55~60%程度が丁度よいと思ってます。まだちゃんと計算してませんが、たぶんそのくらいにはなってると思います。

 

 

完成しました→やっぱり修正しますの流れは配列開発あるあるですが、既にだいぶ煮詰まってるのでもう無い事を祈ってます。

「れる」A;、「める」P;、「ませ」QX あたりが気になってますが、目をつぶる可能性が高いです。

またカタカナ拗音「ふぁ」「ふぃ」「ふぇ」「ふぉ」「てぃ」「でぃ」「とぅ」が小指絡みの3〜4打になっている点も諦めるかもです。本当は小書き同置にしたいのですが、相当難しそうです。

 

すらすら打てるようになったらちゃんと説明ページを作ったり動画上げたりしたいですが、果たしてそこまで辿りつけるか・・・?

 

 

 

 

 

 

 

冬休みの宿題

冬休みなので最強の配列を作りました。

 

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中指後置単シフト配列 (濁点含めて正確に言うと両中指上段後置シフト清濁同置カナ配列) です。

清濁同置の順次打鍵カナ配列としては珍しく (初?)、濁音・半濁音は全て2打以内で打てます。パ行はマ行+゛になってます。

「ゃ」「ゅ」「ー」は頻度が低くシフト面に追いやられがちですが、脳内発声との対応・拗音の打ちやすさを重視して単打にしてあります。

また「ょ」キーが後置シフトキーを兼ねており、シフト専用キーがありません。

設計は計算がベースですが、主観で制約条件を追加していき、納得できる解に追い込みました。

 

参考までに、kouy様作成の打鍵頻度表では、以下のようになります (デザインは少しアレンジしてます)。

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以下のもろもろの欲求を折衷して濃縮しました。

 

・オールラウンドな配列を作りたい。

・同時打鍵・連続シフトは使いたくない。

・単打はなるだけ増やしたい。

・人差し指→中指アルペジオを重視したい。

・なるべく指を伸ばして打ちたく、中段重視は窮屈なので上段を活用したい。

・3段で収めたい。

・清濁同置にしたい。2面以上のシフトは覚えられない。

・仕事(メール・報告書)を高速で片付けたい。

・脳内発声がある人でも使いやすくしたい (ゃゅょっあいうおー単打)。

・書き言葉だけではなく話し言葉も打ちやすくしたい。

・日本語文の中核となるカナ文字や頻出二連接はなるべく打ちやすくし、創作文でも使えるようにしたい。

QWERTYは下手になりたくない。QWERTYのスキルと干渉しないようにしたい。

・JIS/USキーボードでもふつうに扱えるようにしたい。

・実装はなるべく簡単にしたい。

 

ここ2年間、配列に関していろいろと葛藤してきましたが、

とにかくこれらの欲求のバランス取りに苦労しました。

 

もちろんこれから評価していくなかで、微調整はどうしても必要になってしまうでしょう。

また、犠牲となっている要素ももちろんあります。たとえば薬指・小指の頻度や、CAPSLOCKキーの使用や、小指「る」や、BS・ENTERを文字領域に置けなかった事などは妥協ポイントです。

 

私もいろは坂配列や、他にも単発で新配列とりあえず組んでみた~という記事は出してましたが、長期使用に至らなかったのは例えば以下のような問題があったからです。

いろは坂配列は独自ホムポでQWERTYと相性が悪く瞬時に切り替えられなかった。

・継配列ではカタカナの形状を思い浮かべてしまうので、文章作成に集中できなくなる。

・とかげ配列は使用者の指の能力を前提としすぎたし、しょせんはローマ字配列だった。

・人差し指前置シフトはさすがに同指打鍵が増えすぎたし、またシフト専用キーが必要だった。

親指シフトは、同時打鍵系で唯一自分が使えそうではあったけど、同時打鍵はストレスでやっぱり自分には才能なかった。

 

というような試行錯誤を経て、今の自分の全力を出しきってこの配列を組みました。速くマスターしたいところですね。

といいつつ、来年の自分はまた全然違う配列に興味あるのかもしれません。。

 

 

 

 

 

 

 

 

配列設計のモチベーションたち

先人たちの配列を参考に、配列設計の軸となりうる要素について考えてきたのでかんたんに列挙してみる。

 

①楽に速く打ちたい

練習せずとも速く楽に打てる配列を作りたい。というもの。

配列界で最もメジャーで古典的で無難なスタンスだと思う。

 

②最強のタイピストを目指す

最強のタイピストになるために最強の配列をつくるというもの。

ありがちのようで実はメジャーではない。なぜなら強い指を持っている人はQWERTYで満足しがちで、かつ既に熟練度が高いから移行コストも高いというわけで、二重の壁があるからだ。

でも、QWERTYより速い配列はあるはずだよなぁ。

 

③楽に遅く打ちたい

そもそも速く打つ気はなく、人並みの入力速度をいかに楽にするかを追求するスタンス。微妙に①とは違い、こちらでは指が怠けられるほど良い。

楽に走りたいのが①、そもそもずっと歩いていたいのが③

 

④人と違うことをしてみたい

どういう配列を作りたいというのは後付けで、とにかく自分の配列を作ってみたいというモチベ。

QWERTY脱却のみならず、既存の新配列との差別化も含まれる。

わざわざ語られるようなものではないけど、みんな多かれ少なかれこういうところあるでしょう。

 

⑤文章作成の質向上

心地よく文章を作成したいという動機。

指に楽させるのも含んでいるかもしれないが、それよりも結果的に出来上がる文章の質に着眼してる軸。

文の構成要素ごとに打ちやすさや指の使い方を調節したりする。楽さとも速さとも違う、(私にとっては)目から鱗だった軸。

 

⑥アンチQWERTY

QWERTYを悪ととらえ、QWERTYの特徴の裏を返せば良い配列になるはずという軸。

ローマ字否定、交互打鍵至上主義、ホムポ遵守とかが含まれているが、

そういう技術的な要素よりQWERTYを否定すること自体がモチベになるケース。

 

⑦既存のツールとの共生

JISキーボードQWERTYが普及しまくっている事実をどれほど新配列に反映させるか。

またいろいろとあるキー配列変更ツール (DvorakJ, Google IME, かえうち...) をどれほど前提とするかもポイント。

ローマ字配列とかな配列の使い分けは多くの人ができるようであるが、

かな配列を複数ちゃんと扱える人は稀だし (というか居ないと思ってる)、

複数キーボードを脳内で瞬時に切り替えられる人も珍しい。

自作キーボード・独自配列がもっとも過激で、

JISキーボードMS IMEローマ字テーブル変更縛りが最もマイルドだと思う。

ここらへんのスタンスは開発者の仕事環境によるだろう。

 

 

 

 

たとえばいろは坂配列は②④⑦の軸で作られている。QWERTYより絶対的に速い配列だし、単打MAX独自ホムポはオリジナリティーの追求でもあったし、それでもリアルフォース・かえうち縛りにした。というような感じ。

 

 

⑤はほぼ抜け落ちていたのを反省していて、また⑦でいくらリアフォ縛りでもホムポ変えてちゃ互換性も何も無かったので、まだ新配列開発にアンテナを張ってるところ。。

 

 

 

 

人差し指シフト練習開始

この記事は以下の配列で打ってみよう。

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どうせいろいろ修正するだろうから、いちいちアップデートする意味もないかもしれないが、

いま楽しいしいつ飽きるかもわからないから日記のように書き留める。

 

今日はシフト面のカナを吟味しなおして上図のような配列になった。

主観的には完成。でもどうせ使っていく中でいろいろいじることになるんだろうなぁ。

 

タイプウェルでは180秒くらいの状態。

短い文章なら書けるようになってきた。

 

オール順次打鍵で人差し指→中指アルペジオ重視の新配列はたぶん今までなかったから、

ようやくQWERTYタイパーが報われる配列ができたかもしれない。

 

他の新配列ではたいていQWERTYが打てない人向け、もしくはQWERTYから学ぶ事は無いという前提で設計してあるっぽいから、

QWERTYでじゃらじゃら打鍵が得意な人にしっくりくるカナ配列ってなかったと思うんだよね。

でも彼らだってQWERTYローマ字を好きで使ってるわけではなく、消去法で強いられているだけだと思う。

 

いつもお世話になっているkouy様の1万字カナ打鍵数分布だとこんな感じ。

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人差し指重視のカナ配列は薙刀式に続いて2番目だろうか。

総打鍵数14000弱は月配列系ではかなり悪いほうだが、

いろは坂で打鍵数特化した過去の自分への挑戦でもあり、

打鍵数ってそんなに、、重要じゃないのではないかという前提でいる。

順次打鍵での1動作は1じゃらであるので、数値は気にせずじゃらじゃら特化でいきたい。

 

人差し指シフトが一番弱いのは同指打鍵が増えてしまうことで、

特にタイピングゲームや脳死タイピングでの性能を求めるとなると足を引っ張ってしまいそう。

 

この配列でさらに修正するとなるとそういう切り口になるだろう。

でも少なくともこの記事を新配列で書いているぶんにかなり快適に感じるし、

このコンセプトに致命的な欠点はないように思える。

 

Yは未定義にしてみた。実は月見草配列を参考にした。

「い」を人差し指にしてしまったせいかもしれないが、

Yの位置にどのカナ文字を持ってきても不快だったので、

いっそのことこうしてみた。

実はいまは薙刀式の真似をしてBSを割り当てて運用している。

Uよりは不便だろうが、Yでもわりと快適である。

 

単語以外でよく使いそうな文字を人差し指、中指に配置するだけで

ここまで快適になるもんだなぁ。

私の国語力は底辺だが、文章作成中に困ったら人差し指・中指でごにょごにょしてれば

とりあえず意味の通る日本語になる感じがする。

 

ペンの感覚についてはちょいと薬指を重くしすぎたせいか、左手もそこそこ重視しせいかもだが、

あまりペンの感じはしてないかもしれない。

 

てな感じで、タイプウェル180秒でも全然楽しめることがわかり満足。

今後数ヶ月は退屈しないで過ごせそう。