新かな配列練習道場

~単打最多の最凶かな配列を10本指で調教しよう~

実用ツールにファッション性を求める?

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https://menmentsu.hateblo.jp/entry/2019/11/10/140906

 

配列開発では効率だけを追求しても沼にはまり、沼に居続ける人もいれば、後戻りする人もいます。沼から自力で這い上がり己の道を見つけた人も、皆同じゴールに向かうわけではなく、散り散りになっていって統一性がありません。

 

効率を追求しすぎるあまり、敷居が高くなったり目標を見失ったり途中で挫折したりするのではないでしょうか。そこで効率だけではなくファッション性というか、人と違うことをするかっこよさのようなものをアピールしたほうがいいのでしょうか。実は近隣の界隈で、実用性が重視されるべきだったにも関わらず、今ではファッション性が重視されているケースがあります。

 

・US配列 vs JIS配列

ツイッターなんかで「キーボード 配列」で検索するとコレばかり出ます。US配列ってそんなにいいんですか?qwerty配列に目を瞑っておいて何でUSとJISの微々たる違いに拘っているんですか?「記号が打ちやすい」とかいいますけどそんんんなに記号ばかり使うプログラマーばかりなのですか?スペースばかでかいけど、あなたの親指そんなに大きいんですか?

別に論争の決着はどちらでもよいのですが、そんな微々たることで多くの人が盛り上がれるのはUS配列のファッション性にあります。人と違うって嬉しいですよね。キー数少なく、エンターがシュッとしてるので一目でかっこいいですよね。どうせJISかななんて使わないし、日本語が印字されていないのもいいですよね、諸外国で当たり前に普及してるキーボードを選ぶのもかっこいいですよね。特にMacだとJISモデルUSモデルを気軽に選べるので、当然USモデルのほうが本場なので箔がつく筈です。

 

・自作キーボード勢

特に最近、自作キーボード勢が凄いです。ツイッターでもじゃんじゃんLEDピッカピカなキーボード画像が流れてきます。インスタ映えもしますし、一般層へのウケもよさそうですね。ただ、作成者は基本的に定量的な性能評価を全然しないので、芸術の域ですよね。この界隈はもともとは人間工学的に不自然なJISキーボードに対する疑問、というのが根本にあると思いますが、キー位置変えて楽になった事って数値化しようがなく、実際触らないと分からないですよね。しかも一人一人指の長さが違うわけですし。効率面の拘りも楽さだけで、速度に関してはほんとに注目されないですね。自作キーボード界にいながら最強タイピスト集団であるタイパー界にまで興味を示す人はほんとにごくごく一部です。実際、速度を拘り始めるとキースイッチのバリエーション不足だとか、ストロークのレパートリーや、リアルフォースとガチンコで比べる必要が出てきて、それはそれで沼というか闇です。いろいろとシビアになりそうですし、要求される電子工作のスキルも上がり、かえって制作の幅を縮めかめません。したがって、自キー界隈を支えてる要素としてファッション性は欠かせないものになっているでしょう。これのおかげで効率追求から開放され、自由な創造が許され、健全で建設的な界隈となるのでしょうね。

 

NICOLA

親指シフトって実はいろいろと種類あるんですけど、親指シフト使いに聞いてもニコラ使いばかりですし、それ以外の親指シフトについて本当に知らない人が多そうです (想像) 。ただ、現時点で第3のカナ配列です。もうすぐJISかなは抜かすかな?というくらい、デファクトを本当に駆逐しうる勢力として親指シフター界隈は特筆すべき存在です。

ただ、まぁこのブログを読んでくださっている方には説明不要かもしれませんが、謳い文句は疑問だらけな割に広く普及しているという事実があります。たしかにJISかなよりはマシかもしれませんが、富士通と勝間さんのブランド力によるところが大きそうです。親指シフターが閉鎖的なコミュニティを作り、かの飛鳥配列すら眼中にない人が多い事を踏まえると真に効率に拘ってる人ばかりではないようです。

語弊のある言い方をしましたが、これは悪口ではなく、効率追求に対してニコラ勢くらいの「割り切り」がないと沼にはまるだけなので、学ぶべきポイントかもしれません。いろんな人がいろんな配列を使うようになると、それはいいことのようですが、第2のスタンダードが永遠に定まらず、qwertyからデファクトの座を永遠に奪えません。多少効率が悪いかもしれないけど、周りの人とは違い、でもネット上にはたくさん仲間がいる、なにより打ってて楽しい。そんな配列がおそらくNICOLAであり、新配列群のエリートとなっているんでしょうね。