いろは坂配列練習道場

~単打最多の最凶かな配列を10本指で調教しよう~

アスリートにふさわしい配列

久々にタイパー用という切り口で配列が話題になったのでテンションが上がってしまった。

https://twitter.com/mentype2/status/1198182013758369792

タイパーデファクト使いばかりです。9割の人は特殊配列に目も向けません。特殊配列の存在すら知らない人も多そうです。

「特殊配列」とかいうといかにもとっつきにくそうなので、呼び方よくないかもしれませんね。

 

なぜ最近の配列はアスリート目線で脚光を浴びないのでしょう。それはタイパー界に明るくない配列開発者が陥る、高速打鍵に関する以下の誤解にあります。

①交互打鍵を増やしたほうがいい。

②同時打鍵を積極的に利用したほうがいい。

ホームポジションを守ったほうがいい。

これらは、10打/秒以上の領域でデメリットとなります。

①、②の反証はタイパー様が検証したものです。引用はしないでおきますが、①については高速Dvorakローマ字使いがいないこと、②は高速親指シフターがいないことが根拠となってます。実際にいるなら覆るかもしれませんね。

③は運指最適化と関係あります。たとえばQWERTYでeとdを入れ替えればホムポ率上がりますがte、reが打ちにくくなり、人差し指伸ばした領域がきつくなります。yuは人中の最適化で打てますが、yは遠いからって頻度が低いjと入れ替えるとyuはかなり打ちにくくなり、外→内の運指最適化がしにくくなります。またQWERTYでは高頻度の母音euioがホムポから外れた上段にありますが、これは指を伸ばして打てるという事であり、全力の高速打鍵ではプラスに働くと思います。

 

それではどうすればいいのか?上記の3項目を逆に考えると

①'適度に交互打鍵を減らしたほうがよい。

②'同時打鍵は利用するべきではない。

③'ホームポジションは必ずしも守らないほうがよい。

 となります。これらは本当に正しいのでしょうか?

 

①'は俗に言う「アルペジオ」と関連してます。配列界で「アルペジオ」とは「折り返しを伴わない同指打鍵」の事をさします (音楽ではドレミファソはアルペジオではなくただの音階だと思いますが。。)。交互打鍵よりもアルペジオのほうが打ちやすいですが、交互打鍵率を下げると折り返し打鍵も増加し、難しいです。QWERTYは交互打鍵が低くアルペジオ多め、折り返し打鍵も多めと言われてますが、折り返し打鍵での減速は指の訓練により軽減できるので、そのためにタイピング練習をするわけですね。高い交互打鍵率で有名な月配列では65~70%ですが、この辺はランダム文字列に対して孤立同手異指二連 (BAA'B) が理論的に最も多い領域になります。

https://twitter.com/mentype2/status/1098264091708219393

とはいえ、配列の作り込みによって折り返し打鍵を抑えたままアルペジオは多少増加させられるので、おそらく57~63%あたりが良いと考えています。逆に、アルペジオばかりの理想的な配列はさすがに作るのが難しいでしょう。モーラをアルペジオで打てるような片手ローマ字配列を2つ並べて交互に打つくらいしか無理そうです。日本語が複雑すぎるのがいけませんね。。

 

②'親指シフトに始まった同時打鍵、楽しそうであるのは認めますが、アスリート的な高速打鍵には向いてないでしょう。そもそも高速で複数の指を同期させる能力があるのであれば、普通の順次打鍵配列のほうが速く打てると思います。同時打鍵のデメリットを設計段階から考慮し、判定ミスが起こりにくいようにすればアスリート向けとしても成り立つかもしれません。AB、BAの順次組み合わせが滅多に起こらないとき、AとBの同時打鍵でCを定義すれば非常に有用そうです。

 

③'これは難しい。じゃあわざとホームポジションからずらしたほうがよいのか?ということについては、そうではない気もします。ホームポジションはやはり重要ですし、美意識的にもわざと離れたところに高頻出キーを置きたくはありません。これについては次の事を気をつければいいと思います。(1) 特に人差し指の同指打鍵が起こらないように気を付ける事 (運指最適化の必要性を下げる)、(2) 少なくとも各指の1gram (文字頻度) の重心はホームポジション上にある事、(3) asdf jkl;のホムポに必ずしも拘らなく、例えば中指・薬指を伸ばして使えるawef jio; (いわゆるΩ型) を検討する事。

 

タイピストは一般人がタイピングできないからこそタイピング技術を武器に食っていける職業だった訳であり、タイパーも言ってしまえば営利目的がないだけのタイピストであり一般人がQWERTYを打てないからこそ存在が輝くものです。一方で配列屋は誰しもが練習せずに速く打てる配列を創生する事を究極的な目標としており、もしそのような配列が誕生したらタイピストは必要なくなり、タイパーの輝きも薄れることでしょう。

まぁタイピング技術が生産活動の律速となるケースは筆を止めずに書き続けられる作家さんくらいしかいないと思っています。文章を書くプロではないそれ以外の人は例えちぐはぐであってもQWERTYフリック入力で十分であり、そもそも文章作成では国語力やストーリーの組み立て技術がネックとなってるだろうから、タイピングよりもまずそちらを磨いたほうがよさそうです。私はその鍛錬すらも嫌なので、タイピング練習も配列開発も趣味なんで、効率追求するのもただの趣味なんで、というように、下手に実用性の軸を押し付けられないような立ち振舞いが必要ですね。。