キーボード界隈の勢力図
私のアンテナが届く範囲ですが、キーボード界隈の実際の勢力図?を超勝手に描いてみました。
(修正要望は大歓迎です)
勢力図とはいいつつ、例えば図の円の大きさは独断と偏見なので、片目瞑ってみてください。
キーボード入力の三要素は物理配列/論理配列/タイピング技術です。
いまやほぼ全国民がキーボードを触る時代になったといっても過言ではなく、
キーボード入力技術の合理化はものすごく大事で、誰でも楽に速く打てる物理配列/論理配列/タイピング練習法が研究されるべきでしょう。
それぞれを得意とする人達から構成される界隈が分業して協力し合うことで、究極のキーボード入力技術が生み出されるに違いありません。
しかしながら現状では
物理配列は1972年に制定されたJISキーボードのままずっと固定だし、
論理配列は150年前に英語圏でつくられたQWERTY配列だし、
タイピング技術が優れているのは上記の不合理なツールに対して優れた指の運動性によって適用できた若者だけです。
市場は絶大な規模であるにもかかわらず、キーボード配列はPCが台頭するずっとずっと前から一向に進歩がないわけですね。
なぜこうなったのか。なぜここから脱却できないのかということについては当ブログの記事だけでも察しがつくかもしれませんが、なんかもう考えるのもつかれましたので割愛します。
というわけでキーボード界隈の難しい事情の片鱗を図にしてみました。
私はこれに限らず界隈同士の関係とか失礼を顧みず考えるのわりと好きなほうなんですけど、
現場では暗にタブーになっている面もあって、あまり語られることはないでしょう。
たとえば上記の図では自作キーボードとタイパーは逆側にいます。
もちろん自作キーボードによる高速打鍵技術の改善のようなことを研究する人が現れれば別ですね。既にいらしてましたらごめんなさい。
(実際には高速打鍵界隈ではリアフォが強すぎる。
タイパーだからといって必ずしも静電容量無接点方式がが好きなわけではないです。でもトップタイパー層の圧倒的な実績があるから、むしろ自分の指やタイピング法をリアフォに合うように矯正しなければいけないのです。
もちろん、速く打っても腱鞘炎になりにくいということも効いている模様。
私レベルでも例えばパンタグラフキーボードでは殴るように打つと最も速く打てますが、リアフォだとちょっと力を抜いたときに最も速くなる事は分かります。強く打つとバネの反発力を利用できないため逆効果であり、このおかげでリアフォを殴ることなく腱鞘炎にならずに済んでいます。パンタで力を抜くと指が跳ね返ってこないから遅いんですよね。)
私は自作キーボードのことはぜんぜん詳しくないのだけれど、
ただ少し考えただけでわかるように、たとえば多種多様な自作キーボードが「どれだけ速く打てるか」で格付けされるような文化になったら嫌でしょうね。というかそもそもの個人の指の能力差が大きすぎてキーボードの客観的評価などそうそうできません。
むしろ既存のタイピスト文化や効率主義に飲まれることをうまく避けているからこそ、自作キーボード文化は大成したのだと思います。
このへんの事情は実力主義であるかそうでないかという空気の違いがとても関わっていると思っていて、
配列界隈は嫌でも実力主義・効率主義となり、技術の改良にそれは必要なのですが、それがかえって他の非実力主義界隈からの参入を萎縮させているのもあるでしょう。しかたがないことです。
配列界はなんか2つに分裂してますね。こうしないと図示できませんでした。
2ちゃんで開発され、しかもトップタイパーを輩出したという異色の経歴がある月配列が分裂の皮切りになってますよね。
今は特に何も思いませんが、過去には月配列と飛鳥配列がバトっていたらしく、まぁそういう歴史もあるようです。
キーボードはペンの代用なのか、口の代用なのかというところのスタンスが違っている事が分裂の本質だとは思ってます。要するに速く打ちたい派と心を込めて打ちたい派の違いですね。
楽さというのはもっと重要なパラメータなのに数値化することができないので難しいところですね。
また、親指シフトは配列界に入っていません (配列界でNICOLAを研究されている方がいらしたらすみません。)
が、たとえばfaceb○○kに「親指シフトの集い」というものが1000人くらいのコミュニティとして存在するようですが、他配列の情報はまったく話題になってませんね。。
よくもわるくも、ニッチな層とは距離をとり、一般層に溶け込むことに成功した配列という点で特筆です。
Dvorak界隈も一般層にあるようですが、配列界の私からアンテナが届かないところにあります。
自作キーボード界のEucalyn配列も、配列界からみると異色かもしれません。
配列界の"売り"は何かというと、赤文字で示しましたが、カナ新配列を提案していることです。
ローマ字新配列についてはDvorakの延長線上の行段左右分離が主流なので、配列界独自のものとは言い難いかもですね。
で、カナ新配列はかなり配列界の中で閉じてしまっていて、他に広がっていきませんね。JISかなのせいでかな入力自体が過度に恐れられているんでしょうか。
(これもふまえると、一般層にしれっと居座っている親指シフトの異様さが際立って面白いです)
でもそんな事情はさておき、マツコの件もあり、一般層には好き勝手にいろんな形でキーボード入力に興味をもってほしいものですね。
本当は人々のリアルでの生態も含めて図に含めたいところ。
大げさな表現だけど、各技術の開発者がどういう人生を歩んだ結果、それを発明するに至ったのかはとても知りたい。
学生なのか社会人なのか、仕事でタイピングを使うことがあるのか、
執筆業なのか、IT系なのか、工業系なのか、文系職なのか、
趣味でタイピングを重視しているのか。
キーボード入力の最適化の話だとどうしてもタイパーかライターの意見が強いに決まっています。
コピー打鍵だろうが創作打鍵だろうが、彼らはキーボードで文書入力をしている時間が一般人よりも格段に長く、経験豊富だし、声もでかいです。
でも日本国民全体からしたらタイパーもライターもニッチなので、彼らの言う事が一般層の為になるかというと難しいところです。タイピング練習や配列変更やキーボード製作といった、一般人がとても面倒に感じるところを何とも思っていないきらいがありますね。
ハイキングや陸上競技に最適化された靴を一般人が散歩するために履くかという話です。そりゃ快適かもしれないけれど、そのために高い金 = 練習時間etc.を払うかというと、特段キーボードに思い入れがなければ厳しそう。。