いろは坂配列練習道場

~単打最多の最凶かな配列を10本指で調教しよう~

小指外転筋による小指活用テクニック[キーボード配列]

タイピングにおける小指酷使の是非に関して、客観的に落とし所をつけたい。

小指は短いから扱いにくい、小指はなんか動かしにくいというのは万人に共通の感覚と思っています。ただこの感覚をタイピングの小指使用にそのまま持ってくるのは少し待ってください。なぜなら小指の付け根から上を全く動かなくとも手首だけ動かせば小指でタイピングができるからです。

小指酷使するQWERTYやJISかなや、デフォルトのエンターキーに適応している人は何人もいます。彼らはただの才能人なのでしょうか?若いから大丈夫なだけなのでしょうか?恵まれているだけの人だから、配列理論を構築するうえで無視しとけば良い存在なのでしょうか?

 

結論からいうと、小指外転筋だけに軽く力を入れるテクニックがあると手首による小指打鍵が楽にできるため小指酷使に寛容になれます。小指使用に対する一般の不快感は小指の短さへの不満や付け根による運動によるものと思われます。小指外転筋という言葉はたった今知りましたが、要は小指の付け根の肉であり、瓦割りしようとするときにまっさきに力を入れる部位です。

muscle-guide.info

瓦割りレベルではなく、小指外転筋にちょっと力入れることで小指は棒のように固定され、あとは手首を使うことでキーを楽に打てると思います。

慣れればキーを押し込む瞬間だけクッと力を入れるだけになります。ほとんど無意識で、指を守る防御反応のようなものです。

ただこれは万人がふつうにできるものなのか、練習すればできるのか、できたとしても常用したくないものなのか、個人差がどれほど大きいのかは全然わからない。

 

QWERTYの小指AはみんなクソっていうわりにQWERTYを使い続けたり、新配列でも小指Aが踏襲されていたりして、かなりモヤモヤしていました。エルゴノミクスに拘る自作キーボード勢ですらQWERTYには固執してます。私も一般層に配列沼のよさを分かってもらうために「QWERTYでは小指担当がAで、非効率です」なんてまず言うのだけど、自分でいっといて別にそう思ってないのだけどなぁなどと思ってた (連接がうんぬんの話は初めての人には難しいから出せないし、段越えはQWERTYであまりないから小指Aは説明が楽だった)。

 

 

とりあえず小指は酷使は絶対悪!以上!というのは間違っています。なぜなら付け根を固定してほどよい力で打てば小指を痛める心配がほぼないからです。

もう少し視野を広げると、QWERTYで運指矯正している人が小指動かな~いって言ってるのは見た事がありません (ただQWERTYと標準運指は相性が悪くたいして速くはならないのだけど)。

JISかなが効率悪いというのは認める人は多いけれど、最頻出キーである濁点が小指であることは悪いのでしょうか。右小指の範囲が長さにたいしてとにかく広すぎるのが問題であり、頻度そのものの問題までは目を向けることができてません。議論が不足しているのです。

ピアノで小指使いたくないなら両手指8本で弾けたほうがよいのでしょうか?そんな話聞いたことはありませんし、悪運指が増えるデメリットのほうが大きいでしょう。

 

一方でタイピングで小指使用を極端に嫌がる人はたくさんいます。

デファクトはもちろん、NICOLAの小指9%もしょっちゅう槍玉に挙げられます。

そもそも自己流運指で無意識に小指を使わないようにしてる人もたくさんいます。QWERTYでAを薬指で取る人がなんて多いことか。実は私も昔はそうで、矯正したのは成人してからです。

ちなみに私もフルート経験者ですが、そこでは小指 (特に右) が絡む運指は嫌でしかたありませんでした。痛いとかは全くないのですが、とにかく動かしづらいです。タイピングでは小指酷使OKなのに管楽器ではダメだったのは手首を固定していたからと考えられます。

 

私の現在の見解は以下のとおりです。 

小指は動かしづらい←わかる

小指はめんどくさい←わかる

小指は慣れるまで時間かかる←わかる

小指はよわそうにみえる←わかる

小指はよわい←しらない

小指は痛くなる←わからない

  

JISキーボードQWERTY/JISかなでの小指使用の感想は、細かくいうと次のとおり。

QWERTYのA:少し嫌だ。なぜなら隣接する薬指のSWとの連接が煩わしいからだ。

エンター:小指担当であるのは別に嫌ではないが、遠いのはだるい。

バックスペース:嫌だ。手を横に動かしただけでは届かない。小指はそんなに長くない。

半角全角キー:超嫌だ。とにかく届かない。左上がりのJISキーボードと相性悪い。

JISかな濁点:とくに嫌ではない。

 

小指がたしかに短いし、付け根からは動かしにくい。

逆にいえば、小指が届き、付け根を固定して打っても問題ないなら小指酷使は許されるのではないか?

JISかな濁点がみんな小指届くかどうかは微妙ですが、とりあえず私は届く。そして付け根は動かす必要はありません。なぜならJISかな配列では濁音が交互打鍵が主体だからです。

エンターはデフォルトだと遠いけど、いろは坂配列なら近く、そんなに問題と感じない。他の連接とは違って、エンターでは前からの繋がりをそこまで意識しなくてもよいからだろうか。もしくは、いろは坂配列では文節終わりの音が左手側にきやすく、エンター前は交互打鍵になりやすいとかの理由もあるかもしれない。

 

他所様の数々の新配列で、特に行段左右分離配列であっても小指酷使が踏襲されているものが多いですが、交互打鍵を主体としているからAやほかの母音が小指担当であってもそこまで気にならなかった、と考えられます。

 

交互打鍵以外の連接で小指を付け根を固定して打てるのはどのようなケースでしょうか。

アルペジオ (指が異なりかつ左右の方向性がある連接) ですと手首の回転によって小指打鍵できるのでアリですね。 

いろは坂配列では左小指に「た」「と」「よ」「る」、右小指に「は」「か」のようにいかにも文節終わりにきそうな文字が並んでますが、これらがアルペジオの終点にくる感覚が良かったのだと思います。

 

 

ここまで書いたところで「小指は弱い」でググってみました。

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上から3つのサイトを見てみます。

 

cello-classroom.com

 「小指の付け根には親指の付け根と並ぶ非常に強靭な筋肉があります。この筋肉で物をしっかりと握るのです。親指より強いかも知れません。つまり小指は手や腕、及び身体全体のバランスをとっているのだと思います。」

小指の強さに他の指を合わせるのが最も良いのです。」

 

 

ピアノを弾くとき「小指は弱い」は思い込み!本当は強い小指のすごさ | だいすきおんがく!

「つまり、小指は、小指だけを動かすために、手のひら内に4つも筋肉があるということです。そして、前腕には「小指伸筋」があり、この5つの筋肉で小指を動かしていることになります。」

「逆に、小指の動きだけで音を出そうとすると、指に負担がかかり痛める元になります。腕の回転とともに、筋肉を緊張させて指を動かすことも必要です。

大事なのは、指だけを動かして弾こうとしないこと。

  

www.mush-music-school.com

 「体重をかけて強い音や速い音を弾きすぎたり、負荷をかけすぎるとどうしても疲れやすく、痛めやすくなります。
小指からの影響で、手首や肘に症状が出ることもあります。」

「ピアノでは、1番強い音を1番細い指・小指で弾かないといけないことが多い。」

私自身小指が、弱いと度々昔指摘を受けたことがありました。
そして克服するには「コツさえつかめば大丈夫だ」ということを経験しました。
小指は、手首の動きと連動させて、指だけに負荷をかけすぎず、コントロールするやり方をマスターすることが、長く弾き続けていく上では決定的に重要です。」

 

 

だいたいこちらと同じようなことを考えているのだなぁと思いました。小指は弱いけど根は強く、重要なのです

もっとも、楽器とは異なりキーボード配列ではわりと自由に設計できるから、小指使わない配列で圧倒的に効率的なものが現れればどうでもよいのだけど。。どうも楽器と同じでそうそう小指は捨てられるものではないようです。小指を捨てるとどうしても打鍵数が増えたり同指連続使用が増えたり、快適なアルペジオが減ってしまい配列の性能は下がります。

「小指使用は諦めて受け入れる」のがよいのではないでしょうか。というか小指使用はよくないと言う人が一定層いるにもかかわらずNICOLADvorakをはじめとして多くの特殊配列で小指をがんがん使う仕様になっているのは、既にそういうことかもしれません。

 

タイピングの早打ちは才能だったり常識外の特訓の賜物という印象がありますが、

小指酷使については誰でも少しコツをつかめばだいぶ負担が軽減されるのではないかと予想しています。

 

JISキーボードQWERTYでの問題点の一つは小指役割が多いことではありますが、もう少し紐解くと「伸ばしても届かない」「付け根から動かす」事が不快感の正体であり、これらを回避するという条件を付ければ小指酷使は苦にならないと考えられます。具体的にはQWERTYのAと、エンターについては擁護のしようがあると思ってます。

 

デファクト批判では重要キーが遠すぎるだとか、指の数に対してキー数が多すぎるだとか、キー頻度の重心がおかしいとかのほうが客観性があり無難でしょう。

 

 

私が小学生のとき指の第一関節だけ曲げるというやつが流行りました。ちなみに私は今も昔もこれは全然できません。指の絶妙な部位にだけ力を入れることがコツのようなのだけど。。

小指外転筋に力を入れるのはこれより遥かに簡単だと思っていますが、人によって力がいれやすい部位にも差があるだろうし、いろんな人の手指の特性について知りたいものです。

 

 

 

-----追記-----

大岡さんがこの記事を取り上げてくださりました。

oookaworks.seesaa.net

やはり個人差が大きいようですね。。

棒とは言ったものの、曲がった棒であって (第二関節140°くらい?) 伸ばした状態で固定することはないかもです。

仮に慣れれば大丈夫だとしても慣れる事すら万人に強要するわけにはいかないので、やはりデファクトとしては小指使わない配列が望ましいのは確かです。ただそういうのは大岡さんのカタナ式しか知りません。フリックなんて一本指でできるのだから、もっと指を使わない配列が登場すると面白そうですね。