いろは坂配列練習道場

~単打最多の最凶かな配列を10本指で調教しよう~

かな入力と「じゃらっと打ち」の関係 (e-typingを例にして)

いろは坂配列、練習312日目でついに念願のカナ入力E-typing 400突破!

 

JISかな時の最高は393でした。嬉しいですね。TWはまだですが、一足先にエタイで自分のJISかなを抜く事ができました。

 

E-typingは特にJISかなと相性悪いと感じてました。TWは常用さえ打てればなんか許される文化ありますが、エタイでは元気ワードとエコライフくらいしか打ってて楽しくありませんでした。限られたお題だけ打てても他の週でも上位に入れないのであれば微妙です

実際e-typingをお題による打ちやすさの違いは酷く、そのくせに自己ベスト尊重主義であるから打ちにくい週は単純に参加者が激減します (特に記録更新しか興味ないガチ層)。さっさとお題ごとのワードベスト記録機能を実装するべき。

とはいうものの、デファクト勢が打ちやすい週しか参加しないのであればこれは新配列にとってはチャンスかもしれません。積極的に参加し、お題ごとを打ちやすさの変化が少ないことを実証していきましょう。

 

ところでかなエタイ、前々から一つ面白い特徴があります。

まずはこちらをごらんください。

 

 かなE-typingランキング上位20名のスコア分布

これは各週でのカナE-typingランキング上位20名のスコア分布を表しています。横は順位、縦がスコアです。

グラフの左側をご覧ください。お気づきでしょうか。毎週300前半くらいまでは拮抗したスコアが並ぶのに、400pt以上を出すような上位層数名は突き放したスコアを出してます。

端的にいえば上位層が突出しているんですね。このようにランキングが二層化していて、分布の曲線が下に凸になります。本来、タイピングスコアは上がれば上がるほど上達が難しくなるので上位にいくにつれて収斂していくような分布のほうが自然です。この矛盾はやはりかな入力ガチタイパー層が凄すぎる。。規格外だ、天才だ、というような捉え方で済ませても良いのでしょうか?

 

結論からいうと、これは順次打鍵配列での高速打鍵に関する本質の一部を現しています。ガチ層はある「コツ」を掴んでいるにすぎません。

(ガチ層の中にも階層はあって、さすがにJISかなで500後半とかは基礎的な身体能力が高いように思えますが)

 

少し話が逸れますが、ローマ字入力 (特にQWERTY) で実は同様の事が知られています。QWERTYではエタイ400後半付近から実感できると思いますが、早くなるには打鍵を粒ではなく塊として捉えるスキルが求められます。

うまく言葉で表現できないんですけどね、「ごちゃっ」「ぐしゃっ」と打つ感じでしょうか (わかる人には超わかる)。たとえば、ローマ字入力ではアルファベットより日本語を見ながらのほうが打ちやすい、というのはこれを反映しています。

打鍵が粒であるならアルファベットを見たほうが直接的で速いに決まっています。それにも関わらずe-typingで多くの高速ローマ字入力者が日本語をみながら打つのは、打鍵を塊として捉えることができるからです。たとえば「た」は「t」+「a」ではなく「ta」なんです。人差し指と小指のそれぞれを使って別々に打つのではありません、流れるようにじゃらっと打つのです。言葉にするとなんだか違和感ありますが、本当にそういう認識をしています。「しょう」とかになると「shou」をじゃらっと打ちます。いちいちアルファベットに分解することもなく、そもそも4打鍵ということさえ意識することなく打ちます。上達するにつれ、一度にまとめて打てる打鍵のパターンが増え、どんどんタイピングが楽しくなります。この経験がQWERTYタイパーを育てます。

 

このような「じゃらっと打ち」はおそらくQWERTYローマ字入力技術の肝です。ローマ字入力ならどんな配列でもいいというわけではないです。交互打鍵率が高いと左腕と右腕でガタガタになるので辛く、たとえばDVORAKではあまり出来ないと考えられます (実際に高速DVORAKローマ字タイパーは現れていない)。

ロールオーバー率 (次の打鍵に移る際、前の打鍵に使った指をキーから離さないでも許される確率) も重要で、打鍵後にいちいち意識して指をキーから離さなくてもよいからこそ、じゃらっと打ちが許されます。

また指を多く使うほうが纏めて打てる文字数が多いですね。小指薬指酷使は嫌われる時は嫌われますが、それでもピアノで「ドレミファソ」を速く綺麗に奏でるには小指薬指使わない手はありません。タイピングも同様で、速く美しいタイピングには小指薬指酷使が伴いがちです。

 

さて、別にQWERTY配列の意外なよさとかを語りたいのではなかったです。QWERTYローマ字入力では中級者~上級者になるにつれて多くの人が掴むであろうコツ、これと同じコツをかな入力で掴むには超上級者になる必要があった、というのが今回の趣旨です。

ローマ字入力では早期から平仮名1字からアルファベット2字を対応させることが求められるので、最初は2つの粒だった打鍵がだんだん慣れるにつれて粒同士の隙間を省略するようになり、ついには打鍵塊となります。このように練習してれば自然と打鍵塊という概念を身に付ける機会があります。

ではかな入力ではどうか?というと、基本的に平仮名1字は1打鍵にしか対応せず、普通に練習してる分には打鍵はいつまで経っても粒のままです。むしろ平仮名と打鍵が直接結びついていることはかな入力の謳い文句でもあり、この結果は当然です。しかし、粒のままではタイパー的な意味で限界突破はできません。ではかな入力でも"じゃらっと打ち"を身に付けるにはどうしたらよいでしょうか?

それはあらゆる連接パターンをまとめて打鍵塊として認識する訓練をするしかありません。例えばJISかな配列で「たていす」(qwer) を打つ時、

①初心者:「た」を小指で打って、「て」を薬指。。「い」を中指で、「す」を人差し指

②中級者:「たて」は小指・薬指でじゃらっと打って、「いす」は中指人差し指でじゃらっと

③上級者:(先読みおよび脳内での打鍵組み立てをし) 「たていす」って小指薬指中指人差し指のアルペジオで打てる!(ここまで数瞬)→じゃらっ

 

とはいえ、上記のような分かりやすいアルペジオで打てる文字塊は実際には限られています。また高度にランダム性の高いひらがなからなる文章で連接を意識せよというのは相当ハードル高いので、シンプルにおすすめできるのは文節認識です。

たとえば今回、私のベスト記録の中で特にベストの560kpm出た文では

おなかが/ぐうぐう/なっている

という認識をして、3つ打鍵塊を流し込むイメージで打ちました。脳から指への司令は3回しか出していません。これが打鍵粒認識ですと

お!な!か!が!ぐ!う!ぐ!う!な!っ!て!い!る!

というわけです。冗談ではなくこのような打ち方になります。

 

ここでは割愛しますが、もっとスゴい人ですと"チャンク"という概念を用いて日本語の意味そっちのけでタイピング目線で打ちやすい塊を分けていって理想的な打鍵塊を吟味するところから始めるようです (この話に通じるのはここまで書いて気づきました)。

 

おそらく、「じゃらっと打ち」は順次打鍵に富んだ配列の特権です。親指シフトのように同時打鍵を含んだ配列ではどうしても同時押し複数指同期のためにここでいう塊が割れがちになります。

新興配列の同時押し相互シフトで拗音やモーラを打ちやすくする工夫は上記の事柄とは似て非なるアプローチであり、粒を成長させるようなイメージで効率化を図っていると捉えられるかもしれません。

 

重要なことを言い忘れましたね。カナE-typingランキングで謎の超えられない壁があるのは、JISかな配列には段越えと同指連打という打鍵塊の形成を妨害するものが多く含まれているからです。したがって壁を越えられるのは高速で段越えと同指連打をこなせる筋肉系タイピストしかいないという訳です。それをふまえ、いろは坂配列では段越え同指連打をかなり抑えました。この利点がここになってようやく数値として現れてきた感触です。過度に筋肉に頼ったりバタバタすることなく、指の訓練だけで良スコアが出るようになってきました。

 

E-typingでは週ごとのお題の文がそこまで多くなく、一週間かけてやり込むとかなりワードに慣れることができます。いきなり実践で"じゃらっと打ち"するには難しいですが、練習題材として固定文お題のE-typingはなかなか悪くないかもしれません。