最強の配列ができた
待望の本格派行段左右非分離配列です。
性能評価結果はいつになるかわからないしどうせ修正もあるだろうけど、
第一印象がかなりよく期待作なのでとりあえず発表。
ローマ字配列研究は行段左右分離が微妙という事が分かってから前に進んでません。
行段左右非分離だったらQWERTYと同じじゃないか!という思想もあったと思いますが、近年では配列界でも片手アルペジオの重要性が言われるようになり、タイパー界の実績からするとむしろ交互打鍵が非合理的である可能性すらあります。
閉塞感の一つの理由はKeyboard Layout Analyzerというサイトによる功罪です。行段左右分離系の開発で役に立ってきた経緯はあるのですが、古典的なアプローチをした配列でないと良いスコアは出ず、交互打鍵を減らして片手アルペジオを増やすと必ずスコアが下がります。アルペジオを重視していく路線においてこの解析サイトの数値は当てになりません。しかし数値スコアを盲信してた開発者にはこの路線変更は難しいでしょう。
かな配列は性能は良いんだけど記憶コストはどうしようもなく、結局英字配列も別途覚える必要があります、
いずれにしてもローマ字配列の限界を明確にしたほうがかな配列も輝くし、ローマ字配列もまだまだ研究し続ける必要があります。
QWERTYが属する行段左右非分離配列は実はほぼ未開拓領域です。
ColemakやWorkmanのように母音はAだけ逆側のような配列はちらちらと見ますが、なんか一つだけ母音を仲間外れにするのも中途半端で気が引けます (交互打鍵率60%弱あたりだとそれしかないかもだけど)。交互打鍵は重視してそうですし、左右分離の派生の一つと見てます。
Arensito配列のようにがっつり交互打鍵減らしたものもあるようですが、所詮英語圏の配列でローマ字には向いてないでしょう。Kが右上だし。あと交互打鍵は減らすだけでいいもんではなく、不快な折り返し打鍵は抑えるように気をつけなればいけません。
大岡さんのヌンチャク式は2段の行段左右非分離でしかもΩ型ホムポです。QWERTYとの大きな違いはローマ字なのに清濁同置であり濁音化する子音がセンターシフト面にあることと、英字までは考慮されてないことです。
ローマ字配列はとにかく打鍵数が多くてダメと言われます。
そこで重要となるのは、複数打鍵をまとめてじゃらっと打てるような連接を積極利用することです。
最上段数字列で1234ってじゃらっと打つのは4打鍵分の重みがあるでしょうか。私には1.5打鍵分くらいの重みにしか感じません。
2打鍵の同時打鍵を主観的に1動作と言い張るように、順次打鍵も連接を1動作であるかのように錯覚するレベルで打ちやすくできたら理想でしょう。
ざっくりと以下のことを意識。
①小指を使わず、代わりに薬指はがっつり使う
たとえばカーソルキー、薬指がっつり使うけど特に誰も文句いってないですよね。
これは小指を使わずに済むからです。
また外で周りの人達のQWERTY我流運指をひそかに観察してたりするのですが、
A薬指派が本当に多い。というか小指派は見当たらない。私もホムポ矯正前はA薬でした。エンターは薬指派と中指派がいますね。
薬指は小指との独立を要しない限りはそこそこ酷使に耐えうる、と予想してます。小指を少し立てたほうが薬指が動かしやすい気がするので、小指使用率を0にする事には意味があります。1%でもあれば小指をキーの上に構えてないといけないので。
あと、小指使うと手の重心が中指と薬指の間にくるんですよね。いろは坂配列ではそれを積極利用していますが、ふつうはあまり気持ちがよくないんじゃないでしょうか。
タイピング中の手の支えとなるのは中指がふさわしいと思います。カーソルキーもそうですし、中指シフト配列もその思想だと思います。
小指を使わない代わりに三本指をフルに使う、電卓がそうでしたね。
②"準"交互打鍵を多くしたい
交互打鍵ABABABより、"準"交互打鍵AA'BB'AA'BB'のほうが断然速く打てます。
QWERTYは人差し指に子音がありU以外は他の指に母音があるので、準交互打鍵を量産しやすいです。これはかな配列には真似できない、ローマ字入力の貴重な長所です。
またQWERTYでは「せ」しかなかった薬指子音→中指母音連接をここでは「の」「や」「ぴ」「ぞ」で使います。前者2つは重要で準交互打鍵が増えるのは良いけれど薬指が負担に耐えられるかどうかが要検証です。
準交互打鍵なる用語は私が勝手に使ってるだけなので注意です。
③1モーラは打ちやすくしたい
準交互打鍵によって可能な限り母音・子音はじゃらっと打てるようにするとして、
望ましくは3連接以上もじゃらっと打ちたい。
かな配列では再三考慮されてきたことだと思うけれど、ローマ字配列で子音+母音+αをじゃらっと打ちたい。
ローマ字はai、ei、ouの連接が頻出なのでこれらを中→薬連接にしました。この手の配慮は行段左右分離配列でもされてきたと思います。QWERTYはuioが横並びなのにuは人指し指だから子音との連結がしばしば良くないし、ioはそこまで出ないから色々もったいないです。
また撥音については別途NNキーを追加。「ん」専用キーの導入はローマ字専用配列の中ではかなり主流で、私は今まで渋っていたんですが、考えれば考えるほど撥音専用キーの必要性を感じたので導入しました。
「ん」は人差し指にしたので、母音との連結がしやすくじゃらっと打ちやすくしたつもりです。撥音自体が片手アルペジオにはなりませんが。
拗音片手アルペジオもほぼ挫折。小指を捨てたのでyouアルペジオを断念。だけど例えば頻出の「しょう」はsy/ouで準交互打鍵になっています。Yの位置はわりと気に入っています。
④エンターは中指
エンターは絶対にタイピングに必要なキーです。なので配列面の中に含めたいです。
継配列で中指エンターがしっくりきた事もあり、中指で。中指の頻度を上げたいけれどOの上に置きたいキーが他になかったこともあります。
一方でバックスペースについては正確性100%なら使わないのと、いつ使うのか事前にはわからないので少し外れたところに置きました。左上薬指にしたのは右にするとEnとBSと間にNが挟まれてかわいそうだったからです。
⑤Ω型ホムポは必要ない?
QWERTYの隠された良さは行段左右非分離とΩ型のどちらか、または両方、と思われますが、非分離の非Ω型配列がないほとんどないせいで検証が進んでいません。
なのでΩ型ホムポはやめてみました。
しかしA、N、エンターといった重要キーが上段にあり、指を伸ばして打てる快適さは残しました。
⑥日本語頻出連接は多少は優遇したい
大岡さんの影響ですが、繋ぎの言葉?述べる語?は優遇されるべきですね。なんとなくわかってきました。
日本語文の骨格をつくる文字はそりゃ速く打てたほうがよいです。単語ベースで最適化すると、どうしても個人差が出やすいし、作文で単語は別にそこまで速く打てなくてもよいらしいことも、ブログというものを書くだけでもなんとなくわかってきました。
例によって半分以上計算配列ですが、いろいろと参考にして以下の汎用語を優遇するように仕向けました。
実際にどれほど打ちやすくなっているか不明なのでまったりと検証します。。
ローマ字は原理的に高度な快適連接を仕込むのは無理だけれど、仮名2字の連接だけでも打ちやすければかなりマシと予想。
⑦いちおう英語が打てるように
英語でしか使わないキーを小指に担当させ、英語も打てるようにしました。なので安心してQWERTYを忘れられます。
英語が重要視される世の中になりましたが、なんだかんだ英語を日常的に打ちまくる日本人は少ないと考えていて、英文の打ちやすさまでは考慮してません。英文メール程度ならこの配列でも余裕で打てると思います。
ちなみにファ行はFを使わなくともHWで出せるので、Fは小指担当にしました。。
ローマ字でJも使わず、ZYだけで打ちます。打鍵数的には微妙だけれど、ただQWERTYでもZY使う人多いですし、拗音で必ずYを使うという統一ルールがあったほうがシンプルです。
⑧欠点、考慮しきれてないこと。
Bの位置は右人右上。斜めズレ配列で最も打ちにくいポジション (私はQWERTYのYはほぼ左人です)。でもしょうがなかった。BO、BUが打ちにくいけれど、まぁ頻度も低いし、それにどんな配列にも欠点はあるので。。
また、格子配列との互換性が低そう。とりあえず斜めズレ前提で設計。QWERTYのCは人差し指で取りたい。。
格子配列ならかなり大幅に変更したバージョンを別途用意したほうがよさそう。まぁQWERTYでもそれは同じだけど (Tがさらに遠くなるとか)、自作キーボード界隈では格子配列でもQWERTYで文句言わない人多いし意外に関係ないのかも。。
句点は中指下段なりました。微妙かもしれない。
けれどQWERTYの句読点なんかは、一本指だけを最下段にもってくるのではなく、手全体をグーにするようにして打つようにすると楽です。句読点のあとは休憩であり、すぐ打ちたい文字はないので。まして今回は通常ホムポなので、まぁいいかなと。。読点はマシな位置にできました。
小書き文字は小指のL使うしかないのかなぁ。
という感じで、ゆるゆると練習していくと思います。