いろは坂配列練習道場

~単打最多の最凶かな配列を10本指で調教しよう~

露骨なQWERTY批判はやめる事にした(多分)

配列屋の一歩はQWERTYを批判することから始まります。

というのは間違ってないと思いますが、QWERTY批判をし続けるのは個人的には不毛、というかやはり客観点に否定するのは難しいな、という結論に至ったのでやめます。

 

配列について一年間考えましたが、やはりQWERTYはいいところもあるといわざるを得ません。

 

①母音が左右に散らばっている事が、適度に交互打鍵を減らし、適度にアルペジオを増やしている。

②母音の位置がキー範囲の端にあり、母音→子音の打鍵方向に統一性がある (例えばIとKを逆にするとホームポジション的には合理的だが、MIは上り坂、KIが下り坂となり気持ちが悪い)。

③Uが右人差し指担当であるが、同じ指の担当のJ、N、MはUとの結び付きが弱く (じゅ、ぬ、むはどれも頻度が低い)、HUはFUで代替可能。

④ローマ字・英語のバランスがとても取れている (新配列ではどちらか片方に注力され、バランスが崩れてる例が多数)。

⑤左手の頻度では小指 >> 薬指、右手では薬指 >> 小指となっており、同じ手の薬指と小指が連発することは少ない。したがって難しいとされる薬指・小指の独立は必要としない。

⑥同指連打が少ない。問題となるのは「き」「ざ」くらい。mu, ju, yu, de, nuも同指だが、これらは頻度が低いうえに、標準運指から脱却すれば楽に打てる (例えばyuを人→中で打つ等)

⑦E・I・Oのといった主要キーが三段目にあるため、中指と薬指を三段目に置くホームポジション (Ω型・あゑいおポジション) と相性がよい。これは長い指を楽に伸ばして打てるという利点がある。

⑧これは⑤と関連しているが、左薬指の頻度がそこまで高くないためAを薬指担当にすることが許される (自己流運指の大半が採用しているイメージ)。

⑨英語では標準で中指下段のCが頻出だが、これは普通の斜めズレキーボード (ロウスタッガード) なら人差し指でとればさほど問題ではない (格子配列でQWERTYが向かない大きな理由)。

⑩人差し指に子音を担当させた中指薬指後置シフト方式 (母音がシフト) が非常にローマ字と相性がよい。これにより"準"交互打鍵 (左左右右左左右右...) という非常に打ちやすい打鍵パターンが増える。またローマ字で子音は促音撥音以外で連続しないので同指打鍵が必然と起こりにくいです。

 

といったところでしょうか。(あとで追記しましたが、個人的には⑩が本当に強い)。

まぁあと、自分が尊敬してる人でもQWERTYを使っていたりするので、なかなか批判しづらいですよね。

 

それでもなお、QWERTYに文句がつけられるのは以下のようなことです。

 

①左手薬指の頻度はS>>W、中指ではD<<Eであり、二段目・三段目のこの逆転が気持ち悪い。特に薬指は曲げに弱く腱鞘炎の原因。

②KI、KUが打ちにくいのはなかなか許せない。

③F Jがホームポジションなのにほとんど使わないのは何とかならない?

④A小指はやはり万人向けではないし、自然と自己流運指が生まれる最大要因。

⑤Tがよく使うのにさすがに遠いかな。

⑥やっぱローマ字は打鍵数多い!

 

個人的にKUが打ちにくいのが一番許せないです (右人差し指短いため)。とはいえ六つしか挙げられなかった。。もちろんQWERTYと似たようなコンセプトの中で改良すればより良い配列はできますが、それはデファクトに置き換わるほどのインパクトは残念ながらありません。他方で例えば母音左右分離のようにコンセプトから変えると、QWERTYでは問題にならなかった欠点が出てしまうでしょう。

 

結論からいうとQWERTYで貴方が速く打ててるなら、まぁそのままでいいんじゃないですか?ということです。

ただしQWERTYが貴方にとって悪くない配列であるのはただの偶然あるいは奇跡であって、ローマ字が存在しない時代に英語圏で作られた一世紀半前の代物、ということは知っていてもよいと思います。

加えて、世の中にはQWERTYをまともに打てない人はたくさんいます。小指・薬指をそこそこ使い交互打鍵が少ないのはキーボード配列としては上級者向けです。母音が片側に寄ってて交互打鍵が多く指先はあまり動かさなくてよい配列 (Eucalyn配列、Astarte配列、DvorakJP配列など) のほうが初心者向け、中級者向けの配列としては優れているでしょう。

 

"慣れさえすれば"速く打てるQWERTYの特徴を理解してる人は「スポーツカー」などと例えます。現状でも左薬指・右小指を温存している事を考えるとスポーツカーにふさわしくさらに尖らせることもできるんじゃないかなぁなんて。そこで自分用の英語配列でも作ろうかと考え中です。

 

 

 追記

QWERTYは性能面でも決して悪くないのではないか、という主張は前々からタイパータイピスト界隈では燻ぶっていました。しかしこれは一部の上級者集団の感覚からくる予想に過ぎず、またQWERTY以外の配列を試す人が本当に少なかったためこの説は客観的には受け入れられてませんでした。

ところが近年、配列界隈からもぼっちラボさんによってQWERTYは必ずしも悪くないという研究結果が出たため、ようやくQWERTY全否定論からは脱却できた感じがします。わたしも大いに影響受けているのでここに引用させていただきます。