JISかな配列はアメリカ人が作ったので使えるわけがない
と言い切っても問題ないでしょう。
100年前カナ入力はアメ公の指摘で「キー配列は頻度ではなく覚えやすさで決めるべきで、五十音表と関連を持たせるべきだ」というのをほぼ鵜呑みにしてガラっと配列変わり現在のJISかなの原型になったらしい。
— めんめんつ (@mentype2) 2019年7月27日
最重要キーの濁点が上段になったのもこの時か。。https://t.co/60KMq6YcW8 pic.twitter.com/O1cQtoQcrR
今のJISかな配列の原型ともいえるスティックニーのかな配列の特許はこちらです。
発明者にはスティックニーの名前しかありません。これは日本人が作った配列ではないのです。
それを今の我々は、たいした修正することもせずに使っているのです。
もともとは山下芳太郎が新しいかな配列を考えていました。1920年代のことです。以下の記事が参考になります。
山下芳太郎の配列をタイプライターで実装するためにアメリカのスティックニーの相談を持ちかけた際に、いろいろとアドバイスを受けて配列の大幅な修正を求められました。
病気がちだった山下は、自分の配列を捨ててその案をほぼ鵜呑みにしてしまいます。
ただ、今の配列開発の常識から考えて、山下の配列のほうがよほど優れていました (上のパソ活さんの記事に詳しいです)。
以下に、いかにしてかな配列が今のJISかな配列に近づいていったのかをまとめました。
赤文字が今のJISかなとの違いです。
山下の配列はほとんど今のJISかなと違いますね。パソ活さんの記事に詳しいですが、山下の配列はホームポジションに近いほうが文字頻度が高い、シフト文字が最上段にない、打ちにくい右小指外側領域が使われていないという点でJISかな配列より優れています。
今のかな入力はスティックニーによって作られたと言ってもよいでしょう。シフト面以外はほとんど今と同じです。ただこの時でもまだ小指外側領域は使われてなかったんですね。
スティックニーの案からJISかなになった過程で単打を増やしたことは評価できる。ただし右小指に適当にキー増したが逆効果ですね。かにポジションのように、右ずらしホムポをこの時点で標準にすればよかったのでしょうか。
こうして半世紀かけて開発されたJISかな入力がポンコツである事は、打鍵数が圧倒的に多いローマ字入力のほうがなぜか人々に使われていることから明らかでしょう。
具体的には、たとえば「ホームポジションの近くには頻度の高い文字を置く」という配列開発の第一原則すら守られてません。濁点の位置が典型です。kouyさん作成の1gram分布が参考になります。
たしかにJISかな配列はタイパーの世界で輝いており、高速タイピングの動画等は見つかります。しかしそれはJISかな配列が凄いのではなく、ヘンテコ配列を扱えるタイパーの指が凄いので、履き違えてはいけません。「JISかな打てる~~さんすごい」はよく聞きますがJISかな配列自体を褒めている人は見たことがありません。
むしろふつうの人では決して速く打てない筈のJISかな配列を扱ってみせることで、かなタイパー自体が輝くのでしょう。
じゃぁ、最新技術で開発された最強カナ配列は何か?というとすぐに勧められるものがないんですよね。。 敢えて挙げるなら私からは月配列2-263を推しておきます。
最新のカナ配列はどれも個性が強いので、もちろんキーボード入力に拘りのある人には良いのですが、そうではなく無難に誰でも使えるものとなるとなかなかシンプルなものがない。また4段配列があまり好まれてないこともあり、なおのこと山下さんのようなシンプルな方向性の配列はなかなか開発されませんね。