かな配列は30キーに納めるべきか
月林檎配列は33キー配列であり、小指担当が4+5=9あります。
万人向けを謳うにはちょっと多いんですよね。というわけで週末にでも30キー版も組んでみようと思います (私は33キー版を使うと思いますが)。
カナ配列を30キーで納めるべきという主張はいろいろあって、
小指はなるべく使わないのが望ましい事や、
各指3キー担当、人差し指だけ1本で6キー担当となり、数学的に美しい事や
コンパクトキーボードでも実装できる事とか
文字領域が狭い方がタイピングを無意識化しやすいとか。
一方で新配列が今まで30キーで納められてきたかというと必ずしもそうではなく、
最たる代表例が新JIS配列です。配列面を見ればわかりますが、シフト面が一枚だと30キーで納めるには絶妙に足りないのです。改良版的な位置づけのNew Stickney配列では30キーに納めてあり小書き化を濁点キーに統合しているのが肝です。ただし「や」「ゆ」など頻度の低い文字はそもそもシフト面なので、二重シフトとなっています。
かの月配列2-263もそうでしょう。やはりシフト一枚のデメリットですね。今も月配列の派生でいろいろな配列が開発されていますが、30キーで納めるのは必ずしも主流ではないようにみえます。というのも、30キーで納めるにはシフト二枚必要となり同手シフトが必要なので、記憶負担および左右盲との戦いがはじまります。それだったら32キーでいいやと思う人も少なくないでしょう。
標準の斜めズレでは右小指の外側の「:」「@」が格子配列より打ちやすく、ズレが幸いして5キーにもかかわらず領域としてはコンパクトになります。なので32キーが意外とアリなのは納得ですね。
もはや現代においてキー配列が斜めズレである意味はほとんどないので理想的には電卓の格子配列のような合理的 (記憶しやすく美しくシンプル) な配列に取って代わるべきではありますが、まぁ残念なことにそれはなかなか難しいでしょう。なぜなら格子配列ではQWERTYが打ちにくく、斜めズレを消すにはQWERTYを駆逐する必要があるからです。
右小指の外側はしばしば使われますが、左小指はどうでしょう。
新配列でCAPSLOCKを使用する人はなかなかいないですね。このキーを日頃使っている人はほぼいないと思うので、ローマ字テーブル単独では実装できなくなるなど、配列の実装に癖が出てしまうことが問題なのでしょうか。
MacやHHKBキーボードではこの位置にCtrlが来るので、そういう場合も仕方ないでしょう。
配列を30キーに納めようとするとどうしてもシフト機構が複数必要になってしまうため、その複雑性よりは31キー以上にするほうがまだまし
VS
30キーのほうが美しいし小指が楽だし無意識化しやすいし格子配列と相性が良い
月林檎配列はシフト面が1枚なだけではなく、月2-263とは異なりシフトキーが1個なので、小キー化したときに1つのシフトキーだけがどんどん重くなり、キー頻度のバランスが悪くなりそうです。また、清濁同置かつシフトキーが「ょ」という時点で表と裏の組み合わせにかなり制限があり、なので指が届く範囲でなるべく単打を増やそうと33キーにしました。とはいえ、意外と30キーでもいけないことはないのでは?ということであとで組みます。